アニメ『でんでんの電脳電車』で話題“多才すぎるVTuber”ユプシロンって?
2022年06月03日 11:06
アニメ『でんでんの電脳電車』で話題“多才すぎるVTuber”ユプシロンって?

2023年4月にスタートしたアニメ『でんでんの電脳電車』(CBCテレビ)がいま注目を集めている。大きな特徴は、VTuber(バーチャルYouTuber)が「本人役」で出演していること。不思議な電車を舞台に、VTuberたちによるボケとツッコミの応酬が繰り広げられる、まるでドラマのような作りの一風変わった3Dアニメに仕上がっている。 ■【画像】型破りなテレビアニメ「でんでんの電脳電車」の画像■ その出演者の1人であると同時に、主題歌の作詞作曲も務めているのが、VSingerのユプシロンさんだ。本作では原案と一部脚本も担当。多才なクリエイターとしても注目を集めている話題のシンガーに話を聞き、その“素顔”に迫った――。(全2回中の1) 「もともと『自分以外が歌う楽曲を作ってみたい』という気持ちがあって、自分の曲を作るときとは少し違うマインドで始めたのが、ボカロPとしての活動でした。息継ぎが少なく、歌うのがすごく難しい曲を作っても、(初音)ミクちゃんなら完璧に歌いこなしてくれる。だからこそ自由に曲作りができて、自分が歌うために作る曲のバリエーションも増やせたように思います。ただ、歌うのがめちゃくちゃ難しくなってしまいましたが(笑)」  ボカロPとしての作曲活動を経て完成したのが、2022年2月にリリースされた前述の「フォージェリィ」だった。SpotifyやYouTube Musicの公式プレイリストにも追加されており、音楽配信プラットフォーム側からも注目されていることがわかる。  また、楽曲制作の幅を広げるきっかけとなったもうひとつの出来事として挙げられるのが、「SODA KIT」としての活動だ。  SODA KITは、男女混合の4人組歌い手グループ。2022年10月に「60日後に始動する歌い手グループ」として突如ネット上に現れ、ショート動画の投稿をYouTubeとTikTokでスタート。当初はフリー素材と音声合成ソフトを使った動画を投稿していたため、メンバーの顔も声も背景もわからない、正体不明のグループだった。  しかし「フォニイ」や「エゴロック」などの歌ってみた動画の投稿を始めると、その歌唱力の高さがSNS上で話題に。あっという間にYouTubeチャンネルの登録者数が1万人を突破。そして迎えた60日後、“正体”を明かして行われた配信には2000人以上のファンが集まり、ツイッターでトレンド入りするほどの話題となった。 「SODA KITは『#60日後に始動する歌い手グループ』というハッシュタグを作って準備をしていたのですが、何か深い考えや戦略があったわけではなくて、ノリと勢いで始めた活動でした(笑)。  でもそれがYouTubeでバズって、本格始動前の60日間で本当にたくさんの人に見つけてもらえたのは嬉しかったですね。4人で『絶対にバズってやるぜ』とか言いながら準備をしていたのですが、いざバズるとみんなビビっちゃって(笑)。4人でそわそわしながら12月の始動日を迎えたことを覚えています」  すでに「VTuber」として活躍している4人が、顔と名前を隠した状態で、「歌い手グループ」として新たに活動を始める――。そのことに対して、ファンからはどのような反応があったのだろうか。 「僕は『歌い手もVTuberも一緒じゃん』と考えているのですが、『歌い手は好きだけどVTuberは好きじゃない』っていう人もきっといるだろうなとは思っていて、実際にそういう方もいました。でも受け入れてくれたファンの方も多かったので嬉しかったですね」 「歌い手」としても注目を集めるようになったユプシロンさん。ボカロPの活動がそうだったように、SODA KITとしての活動もまた、表現の幅を広げるきっかけとなっているのだそうだ。 「『4人で歌う曲を作る』ということ自体が初めてだったので、それまでの曲作りとはぜんぜん違いました。『みんなの声のキーはどれくらいなんだろう』とか、『歌声を組み合わせたときはどこがきれいに聞こえるんだろう』とか……あとはやっぱり、ハモりですね。『どういうハモりを入れたら綺麗に聞こえるんだろう』っていうのを、歌ってみた動画の制作を通して試していました。そこで積み重ねてきたことを今、オリジナル曲に全部突っ込んでる感じですね」 今後の目標は? 「SODA KITとしては、5月24日に初めてのミニアルバム『Formula』を発売。7月1日には初のワンマンライブ(オンライン)を行います。ライブ冒頭はYouTubeで無料配信する予定なので、ぜひ見てもらえたら嬉しいです。そしてユプシロンとしては、あまり肩書きにとらわれず、音楽が好きな人に広く知られるような存在になったらいいなと。ソングライターでもあるので、『日本の誰もが知っている曲を生む』ことが目標であり夢です」

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