人気麻雀VTuber・千羽黒乃〝師匠〟インタビュー!著書に込めた思いを激白じゃ!
2022年05月29日 16:05
人気麻雀VTuber・千羽黒乃〝師匠〟インタビュー!著書に込めた思いを激白じゃ!

 麻雀ファンから「師匠」と呼ばれ、プロからも一目置かれるVTuber(バーチャルユーチューバー)がいる。麻雀歴1000年、鴉天狗の少女として活動する千羽黒乃(せんば・くろの)だ。  ユーチューブで行っている論理的でユーモアあふれる麻雀配信が大人気で、最近では発売した著書が大ヒットとなっている。新聞社として初のインタビューに成功した。  ――今日はよろしくお願いします  千羽 新聞社さんの取材は初めてなので緊張しておるが…こちらこそよろしくなのじゃ!  ――「最も麻雀を教わりたい配信者」「初心者でも配信を見ているだけで上達する」と言われていますが、プロではないんですよね?  千羽 以前は雀荘で働いていましたが、2018年からVTuberとして活動しているのじゃ。麻雀実況解説をコツコツ続ける中で、他の人気VTuberさんへ麻雀を教えたことをきっかけにより多くの方に見つけてもらえるようになったんじゃ。  ――教えるのは得意だったんですか?  千羽 昔から「なぜ自分はこれを切ったのか」という説明ができる打牌を心掛けてきたのじゃ。雀荘で働いていたとき、後輩に教える機会があり、そこで先生みたいな経験はしておった。VTuberになってからも「打牌の意図」を分かりやすく解説するようにしておる。  ――大ヒットしている著書「千羽黒乃の強くなる麻雀」も非常に分かりやすいと評判です  千羽 すべての打牌にロジカルな解説をすることを大事にしたのじゃ。「どんな打牌にも理由がある」ってことじゃな。丸暗記ではなく、読んだ人が、その理由をしっかり考え、自分の力で正解を導きだせるようになってほしいのじゃ。  ――具体的には  千羽 例えば「相手からリーチという攻撃を受けたとき、自分の手がイマイチならオリ」という戦術があるが、守備の技術を覚えたばかりだと、リーチを受けたら常に「守なねば」になってしまう。でも、大事なのは「なんでオリなのか」という理由を持てるかどうかなのじゃ。  ――どういうことでしょう  千羽 相手から攻撃を受けたときにはまず「戦うことのリスク」と「勝てたときのリターン」を考え、リスクの方が大きかったら守り、リターンが勝っているときは押し返す、という考え方をしようということじゃ。この「リスクとリターンを比較する」という〝答えまでの道筋〟が非常に大事。様々な場面で応用ができるようになるし、このような考え方が身に付くと麻雀が一気に楽しくなるんじゃ!  ――楽しくなる?  千羽 そうじゃ。まず、大前提として麻雀は最善を尽くしても勝てるとは限らないゲームじゃ。トッププロの方でも勝率が40%を超えることってほとんどない。だから、「勝てば楽しいけど負けたらつまらない」という考え方をしていると、半分以上のゲームを「つまらない」と感じてしまうんじゃ。逆に、勝ちを最終的な目標とするのではなく、勝つために最大限の努力をするという前提はありつつ、そのうえで結果ではなくその過程、道筋や考え方を楽しめるようになったらどうなる?  ――負けても楽しいかもしれません  千羽 さすが記者さん、お見事じゃ! 儂はどんな対局でも楽しいと感じられる、そんな打ち手が増えてほしいと願っておる。だから本では実践で使える考え方のヒントをたくさん入れた。  ――ユニークな名前も打法も含め、確かにたくさん収録されています  千羽 RPGで魔法を覚えれば覚えるほど「どれを使おうか」とワクワクするのと同じで、使える考え方が増えると、それを選ぶ楽しみが生まれる。つまり…  ――勝ち負け関係なくエンジョイできる、と  千羽 ご名答。お見事じゃ!  ――そのフレーズ、配信でもよく使われていますよね。相手にアガられても絶対に褒めるスタンスを支持するファン、特に初心者も多いです  千羽 儂にはVTuberとして大切にしていることが2つある。1つ目は他人を批判しないこと。どんな遊びでも初心者の人に厳しいベテランの人がおらんか?  ――私も「なんでこれ切ったんだ?」「何やってんだよ」と先輩に言われた経験が(苦笑)  千羽 そういう言葉で萎縮してしまう者もおる。でも、本来、麻雀はどんな打牌も自由なんじゃ。「好きなように楽しんでほしい」と伝えたいので、絶対に批判はしないのじゃ。  ――だから千羽さんに教えてもらった人は麻雀にハマるのかもしれませんね  千羽 もうひとつ、常に上機嫌であることも意識しておる。常に笑顔で配信していれば、儂をきっかけに麻雀を始めた人が、悔しいときも対戦相手へのリスペクトを忘れず、いつも上機嫌な打ち手になってくれる。その人たちが誰かを教えることでそういった打ち手がさらに増えるはずじゃ。  ――でも、常に上機嫌でいるのも大変では?  千羽 儂は自分の麻雀を多く人に見てもらい、その楽しさを伝えたい一心でVTuberになった。つまり、今は夢が叶っている状態だから全く大変ではないのじゃ。今後も、知的で、子供からご年配の方まで遊ぶことができて、毎回違った場面がくるから常にドキドキワクワクできる、そんなすごい遊びの魅力をもっともっと伝えていくので、応援よろしくなのじゃ!  ◇せんば・くろの 麻雀を愛する鴉天狗のバーチャルYouTuber。ネット麻雀「天鳳」で九段、「雀魂」で魂天の実績を持ち、チャンネル登録者数は12・8万人(2023年5月現在)。インタビューで触れている著書は「千羽黒乃の強くなる麻雀」(KADOKAWA)。中級者向けで「ポジティブ遠回り打法」「4倍アタックチャンス」など、本人命名のユニークな打法も収録されている。ダジャレも大好き。  

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