にじさんじ・天宮こころは“柔剛一体な配信スタイル”でVTuber界の空を翔ける キュートでパワフルなドラゴンガールの魅力
2022年05月20日 12:05
にじさんじ・天宮こころは“柔剛一体な配信スタイル”でVTuber界の空を翔ける キュートでパワフルなドラゴンガールの魅力

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。 【動画】もはやチームメンバーの一員? 渋谷ABEMAS「ハイタッチの最後は必ずあまみゃ!」  メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。  元1期生がデビュー5周年を迎え、彼らを筆頭に現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与えるだろう。  しばらくのあいだ紹介している30~40名は、にじさんじ始動から2年目にあたる2019年2月8日以降にデビューしたメンバーだ。現在のにじさんじのなかでも主軸を担う、重要メンバーが揃っている世代でもある。  このような経緯もあり、すでに2019年のデビュー組は4年目を迎える中核メンバーとなり、配信・イベントなどをこなしてきた場数も多く、決して新人と言える立場ではない。  2021年6月からはバーチャル・タレント・アカデミー(VTA)が発表され、運営元・ANYCOLOR株式会社によるタレント育成プロジェクトがスタートすると、2023年5月上旬現在までにRanunculus・VOLTACTION・Idios・Oriens・Dyticaとグループとして数多くの面々がデビュー。  一部のにじさんじタレントからは「新人のデビューが速すぎて名前が覚えられない!」と声があがるほどの、ここ1年のデビューラッシュ。このペースは2019年頃とほぼ同じであり、彼らこそが新人といっていいはず。  そんななかにあって、デビューしてから3年以上経過したいまでも「にじさんじ所属新人バーチャルライバー」を前口上に、多くの配信で“ゆるふわ”ムードを生みだしてくれるタレントがいる。それが、今回紹介する天宮こころだ。  天宮は2019年8月8日に初ツイート、8月13日の初配信でデビュー。ツーサイドアップに仕上げた濃い青色の髪型に、淡い青色のフリルスカート型の衣装、金色の瞳がチャームポイントだ。  どこか丸っこく、フワフワとした声と発声の細さもあってか、発音・滑舌が悪く聞こえてしまいがちで、彼女にまつわる話題ではその喋り方が定番のネタとなっている。  とはいえ、ひとたび配信中にアクシデントに見舞われれば大きな声を出してハッキリと発話することもあり、舌足らずなのではなく室内で配信しているが故の問題なのかもしれない。  くわえて彼女の場合は、その滑舌の悪さが彼女のフワフワとした声色をより特徴づけることに繋がり、デビュー当時から現在まで続く彼女の“魅力”としても広まっている。  ちなみに、これまで2度開催された「にじさんじ」をテーマにした大型クイズ大会では、「天宮こころの声」にまつわるクイズが2度出題されている。『にじさんじクイズ王決定戦』においてはクイズ解答者として出演していた天宮本人以外、全員が間違える結果に終わってしまった。  出題時の映像を見ていただければわかるように、特徴的な声を持っていることがハッキリとしている。 ・“ドラゴンガール”の異名でその豪腕を発揮、麻雀界に名を轟かす龍の巫女・天宮こころ  ここ数回の連載で取り上げてきたように、2019年夏ごろにデビューしたのはニュイ・ソシエール、葉山舞鈴、アルス・アルマルと、いずれもゲーマー気質なメンバーたちだ。その流れにしっかりと沿うように、彼女もまたゲーマー寄りなタレントとして知られている。  ゲーマーであれば“あるある”かもしれないが、好みのジャンルのゲームばかりをプレイして、なかなか手を出さないジャンルがある、という方も多いのではないだろうか。  これは配信者であっても同様で、「好きなゲームを好きなだけやる」といった配信者・ストリーマー活動におけるある種の理想像を追い求めていくと、FPSゲーム好きはFPSゲームに、シナリオ重視したRPG好きならばRPGへと、プレイするジャンルがある程度偏る傾向がある。  こうした傾向は業界大手事務所のうちのひとつとしてシーンを引っ張るにじさんじ内でもやはり見られ、150人以上の在籍者を誇るなかでも、好み・得意とするジャンルについては一定の棲み分けがされているように見える。「この類のゲームが好きならこの人たち」「あの類のゲームが得意ならこの人たち」と自然に面子が固まり、コラボ配信を通じて仲良くなることもしばしば。  天宮こころがもっともプレイしてきたゲームといえば、『ポケットモンスター』シリーズが思い浮かぶ。『プラチナ』や『シャイニング・パール』『ブラック』『ブラック2』『ウルトラムーン』『ソード・シールド』『バイオレット』といったメインラインの作品だけでなく、『LEGENDS アルセウス』や『New ポケモンスナップ』といったスピンオフ作品まで、様々なタイプの『ポケモン』作品をプレイしてきた。  だがそれ以上にオールマイティにどんなゲームタイトルであってもプレイするというスタイルもまた、天宮の特徴だ。  彼女のYouTubeチャンネル、過去のアーカイブ一覧から、これまでプレイしてきたタイトルをズラっと挙げてみよう。『Apex Legends』『VALORANT』『UNDERTALE』『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』『Stray』『モンスターハンターライズ:サンブレイク』『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』『OMORI』『スプラトゥーン』『ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇』『Minecraft』『ARK: Survival Evolved』……そのジャンルレスかつオールマイティなプレイぶり・ゲーマーぶりには、目を見張るばかりだ。  『VALORANT』の世界大会を奈羅花と共に観戦してみたり、『雀魂』で日本最強雀士・多井隆晴らと戦ってみたり、『Minecraft』ではファンシーな景観の建物を建築、ほかにも様々なゲームを楽しみながらプレイしていくその姿には、苦手ゲームなるものが存在しないかのよう。  そんなオールマイティさとゲームへの愛を評価されてか、現在ではにじさんじ内の公式番組『ゲームる? ゲームる!』でMCを務める。番組内では魔使マオ・夜見れなという仲良しなメンバーにゲストがくわわる形でワイワイとゲームを楽しむ姿を見せてくれる。  そのなかでも彼女の活躍の場を広げたゲームといえば、麻雀、つまり『雀魂』ではないだろうか。  2020年1月14日に出雲霞、舞元啓介、鈴木勝の4人とともに初めて麻雀に触れ、以降もすこしずつ配信でプレイするようになっていった。  個人配信だけでなく、にじさんじ内外の企画や大会にも積極的に参加、また郡道美玲やルイス・キャミーらがMCを努める『雀魂』の公式番組にも出演するなど、麻雀に“どハマり”し徐々に実力をつけていった。  始めた当初こそ「嶺上開花」のイントネーションすら危ういなど初々しい姿を見せていた天宮だったが、現在では『雀魂』内の段位で最上位である魂天、雀聖に次ぐ「雀豪」までランクアップ。いまではにじさんじ内で麻雀企画が立ち上がった際は、先生として指南役として参加することも増え、不慣れなメンバーに教えて回るほどに成長した。  麻雀を打ち始めて3年と少々ながら、麻雀に関する知識・定石をみるみる間に身につけたあたり、彼女がいかにこのゲームにハマったかが分かるだろう。  さらには2022年にスタートした、Mリーグで活躍するプロ雀士とVTuberによるチーム制リーグ戦『神域Streamerリーグ』にも出場を果たす。自身のプロフィール「龍の巫女」と麻雀のドラをかけた「ドラゴンガール」という異名で呼ばれ、名前の通りドラ牌をツモり続けて高得点を叩き出していくという、そのルックスからは想像もできない“闘牌”ぶりを発揮している。  今年の『神域Streamerリーグ』にも出場が決定し、これで2年連続での出場となる。チームメイトはにじさんじの同僚である桜凜月とルイス・キャミーの2人、女性雀士3人が揃っており、3人ともにどこかおっとり、ほんわかとした相性の良さそうなメンバーだ。配信中のムードも3人によるソフトで愛らしいムードに包まれるはず。  しかも、3人ともに段位が「雀豪」レベルの打ち手であり、他チームの出場者には麻雀を始めたばかりの初心者がいることも踏まえて優勝候補にあげるファンも少なくない。どのような対局を見せてくれるか、今から要注目だ。  また、そんな天宮こころの魅力にとりつかれてしまったプロ雀士がいることも記しておきたい。“最速最強”の異名を持つ男・多井隆晴だ。先述した『神域Streamerリーグ』では主催を務める天開司とともに、麻雀界とVTuberシーンを繋げる橋渡し役として存在感を示している。  多井は自身が所属する「渋谷ABEMAS」のメンバーにも天宮こころを筆頭にVTuberを布教しているという。  それだけでなく、渋谷ABEMASのベンチには多井のリラックス用に天宮のクッションが置かれ、たまに触れ合っている姿が発見されるほど。メンバーもハイタッチの際は天宮のクッションを参加させるなど、渋谷ABEMASの「勝利の女神」として行く末を見守っているようだ。  愛らしいルックスと豪運で観客やプロを熱狂させる、麻雀と彼女の関係は今後より深くなっていきそうだ。受けの広さでさまざまなタイトルをプレイするゲーム実況も、その声が相まって魅力的な内容になっている。ぜひ一度見てみてはいかがだろうか。

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