バーチャル空間ライブを世界に広めるVARKが10億円調達【5月第2週資金調達まとめ】
2022年05月16日 17:05
バーチャル空間ライブを世界に広めるVARKが10億円調達【5月第2週資金調達まとめ】

国内の成長産業及びスタートアップに関する幅広い情報を集約・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、資金調達のサマリーを発表している。この記事では、5月2週目の“注目のトピック”として選ばれた5件の資金調達について紹介する。 ■VARK 調達額:10億円 調達先:ジャフコグループ / 三菱UFJキャピタル / ANRI / SBIインベストメント / NetEase Games 備考:シリーズCラウンドファーストクローズ VRライブプラットフォーム「VARK」を運営するスタートアップ。 「VARK」はバーチャル空間で、あたかも自分がライブ会場にいるかのようにライブイベントを楽しめるアプリケーション。 リアルのイベントと同じように、決まった時間に開場するライブにみんなで参加し、一体感を感じながらその場に居るアーティスト達の生のパフォーマンスを楽しむことができる。 新型コロナウイルスによって、リアルのイベントが影響を受ける中、同社は大手VTuber事務所であるホロライブとのシリーズライブの開催などを手がけ、2020年のイベント来場者数は、前年比の4倍まで成長。 今後はバーチャル空間で“ライブ”を楽しむという体験だけでなく、暮らしや遊び、自己表現ができる体験を提供する総合エンターテイメントプラットフォームとして展開していく方針。 2023年5月には、ジャフコグループ、三菱UFJキャピタル、ANRI、SBIインベストメント、NetEase Gamesを引受先とした第三者割当増資によりシリーズCラウンドファーストクローズとして約10億円の資金調達を実施。 今回の資金調達を通して、プロダクト開発体制の強化を図り、既存プロダクトの強化、リーンスタートアップの手法を用いた新規事業開発への挑戦し、“バーチャル×〇〇でNo.1サービスを創り出す”というビジョン達成へむけて、邁進していく方針だ。 ■エレファンテック 調達額:9億円 調達先:MEイノベーション投資事業有限責任組合 / QB第二号投資事業有限責任組合 / Wing2号成長支援投資事業有限責任組合 / 新生ベンチャーパートナーズ2号投資事業有限責任組合 / 第1号第四北越地域創生投資事業有限責任組合 / 脱炭素化支援機構 / みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合  インクジェット印刷と銅めっきを用いて製造された片面FPC「P-Flex」フレキシブル基板の製造および販売を行うスタートアップ。 東京大学の川原准教授がUbiComp 2013でBest Paper Award を受賞した“Instant Inkjet Circuit”がきっかけで創業した。 必要な部分にのみインクジェットで金属を印刷し、さらにめっき技術で金属を成長させる独自の製造方法(特許取得済み)により、従来のフレキシブル基板よりも工程を短縮したことで、環境負荷を低減するとともに製造コスト・リードタイムの削減を実現した。 2023年5月には、MEイノベーション投資事業有限責任組合、QB第二号投資事業有限責任組合、Wing2号成長支援投資事業有限責任組合、新生ベンチャーパートナーズ2号投資事業有限責任組合、第1号第四北越地域創生投資事業有限責任組合、脱炭素化支援機構、みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施し、約9億円の資金を調達した。 今回の資金調達を経て、グローバル展開の本格化、さらなる研究開発による応用拡大を目指す方針だ。 ■MI-6 調達額:6億5000万円 調達先:ジャフコグループ / DEEPCORE / みずほキャピタル / SMBCベンチャーキャピタル 備考:シリーズA MI解析サービス「ハンズオンMI」を提供するスタートアップ。 「ハンズオンMI」は、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の専門家が顧客の課題に沿ってカスタマイズしたMI解析サービスである。 新規化合物探索、仮想スクリーニング、組成 / プロセス最適化など幅広い技術に対応可能。また、MIコンサルティングや研修プログラムの提供も可能となっている。 同社は他にも、材料開発における“実験条件の最適化”を効率化するMIソフトウェア(SaaS)「miHub」や、MIとロボットを組み合わせた技術を用いたサービスなども提供している。 2023年5月にはJAFCO、DEEPCORE、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルを引受先としたシリーズAラウンドを実施し、融資等と併せて6億5000万円の資金調達を完了し、創業以来の累計調達額は14億円となる。 調達した資金はプロダクト開発体制の強化、導入企業への提案・サポート強化、技術開発投資に充当する予定だ。 ■EF Polymer 調達額:5億5000万円 調達先:ユニバーサルマテリアルズインキュベーター / 西本Wismettacホールディングス / MTG Ventures / 沖縄振興開発金融公庫 / Beyond Next Ventures / ライフタイムベンチャーズ 備考:シリーズAラウンド 土壌や作物に影響を与えずに収穫量が増やせる特殊ポリマー「EFポリマー」の開発・研究を手掛けるスタートアップ。 「Fasal Amrit」は、野菜・果物の不可食部分の残渣などの有機性廃棄物から開発したオーガニックポリマー。 柑橘系の果物やバナナの皮、サトウキビのバガスなど有機性廃棄物を使用しており、土壌投入すると保水力と肥料保持力が高まるため、節水や肥料削減の効果が期待できる。 また、100%オーガニック原料であるため、約1年で完全生分解されることも特徴の一つだ。 2023年5月にはシリーズAラウンドにおいてユニバーサルマテリアルズインキュベーター、西本Wismettacホールディングス、MTG Ventures、沖縄振興開発金融公庫、Beyond Next Ventures、ライフタイムベンチャーズを引受先とする5億5000万円の資金調達を実施した。 調達した資金により事業の成長を加速させ、エコフレンドリー・ポリマーの普及を通して“持続可能な農業の実現”を目指す方針だ。 ■DataLabs 調達額:4億3000万円 調達先:SBIインベストメント / JR東日本スタートアップ / DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合 / 他6社 備考:JR東日本スタートアップとは資本業務提携も実施 点群データの自動モデリングツール「Modely」を運営するスタートアップ。 「Modely」は、iPad等で配筋の点群を計測してクラウドにアップロードすることで、検査対象の配筋モデルを一斉に検出してモデル化し、設計値との比較や帳票の自動作成が可能な点群データの自動モデリングツールだ。 従来の人手による現場実測や帳票作成、現場立会にかかる時間・コストの大幅な削減が実現でき、配筋検査等の効率化を実現する新世代ツールとして施工現場の課題を解決へ導く。 ピッチや本数等の各検査項目を自動計測して作成した帳票やモデル・点群データは、施工者と発注者間でクラウド上での共有が可能で、任意の箇所にコメントや写真を付記してチャット感覚でコミュニケーションがとれる機能も搭載している。 2023年5月には、プレシリーズAラウンドにおいて、SBI 4&5投資事業有限責任組合、SBI 4&5投資事業有限責任組合2号、JR東日本スタートアップ、DEEPCORE TOKYO2号投資事業有限責任組合等6者を引受先とした第三者割当増資により総額4億3000万円の資金調達を実施した。 また、JR東日本スタートアップとの資本業務提携を開始した。今回調達した資金は、既存プロダクトの機能拡充や新規開発、人材採用等に充てる予定だ。

Forbes JAPAN

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