
インフルエンサーが口を揃える「最初の2秒」...タイパ時代にバズる動画の共通点とは?
ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。 こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。 今回、紹介するのは『動画大全 「SNSの熱狂がビジネスの成果を生む」ショート動画時代のマーケティング100の鉄則』(明石ガクト 著、SBクリエイティブ)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。 今はタイムパフォーマンスの略語である「タイパ」が求められる時代とも言われています。その代表的なサービスであるTikTokでレコメンドされる動画にするには、どのようにすればよいか、気になる方も多いはずです。 本書ではそのコツが具体的に紹介されています。例えば、動画の初めの瞬間に誰が写っているのかを伝えます。そして、2秒以内に必要であれば自己紹介を行い、6秒以内にこの動画で何をするのか、を伝えるべきといいます。 別のTikTokのインフルエンサーの話をうかがった際にも、その方は初めの2秒に命をかけている、と言われていました。TikTokのユーザーは一瞬の間にその動画を見るか見ないかの判断をするようです。 それに加えて情報密度の高さが求められます。普通の会話では1分間あたり100語程度のところ、世界的に人気なYouTuberであるミスタービースト(MrBeast)の動画では10秒で250語相当の情報を伝えているのだといいます。 YouTubeやTikTokで早口の人に人気があるのは、情報密度が高い動画が求められているからだとも考えられます。 これからの時代に動画はさらに発展していくのかどうかが、気になる読者は多いかと思います。既に動画作成はAIでもできる時代です。それがさらに進んでいくと、人がほとんど何もしなくても動画が大量に作られるだろう未来が想像されます。 VTuberと言われる、バーチャルキャラクターを用いて動画コンテンツを制作・配信する人は、動きや表情などを読み取らせてそれを動画上のキャラクターの動きに反映していますが、そのインプットすらもいらなくなるかもしれません。 そのような手軽さで動画が制作されるようになったとき、本当に選ばれるコンテンツは何になっていくのでしょうか。 量が質を凌駕するのか、もう一度質に回帰するのか、どちらのシナリオにも可能性があると考えられます。 上記のCCC(コンテクスト、コンセプト、コンテンツ)で語られたように、どのようなバックグラウンドの人が、どのようなコンセプトで作成したのか。その情報の信頼性はあるか、そして視聴者の要望に沿ったものか、などが今以上に問われていくでしょう。 どのような未来になるにしても、これからの世界を生きる上で動画に関する知見は重要となっていきます。個人、そして会社としても、動画に対してどのように取り組むのかを決める前の準備として、本書はまず参考にすべき一冊です。
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