「気づけば課金がやめられない…」不安な中高年男性がハマりがちな“推し活のダークサイド”
2022年05月09日 16:05
「気づけば課金がやめられない…」不安な中高年男性がハマりがちな“推し活のダークサイド”

 タレントやアイドル、配信者、キャラクターなどを応援し、愛でる“推し活”が、日々の充足感や活力につながるという人は多い。一方で、思うようにいかないことがあった時や、心に空白ができた状態で“推し活”をすると、推しに依存するあまり、「課金がやめられなくなる」という人もいる。特に不安を抱える中高年男性にそうしたケースが多いという。具体的にどんな境遇にある人が、その落とし穴にはまりやすいのか。実際の事例を紹介しよう。  マサルさんは「女性とのコミュニケーション練習代」と自らに言い訳をしながら、月2~3万円ほど地下アイドルのライブに費やす。しかし、そういった推し活の費用がかさむ一方で、肝心の婚活は難航している。最近、会社から家に帰ったとき、ある思いが脳裏をよぎった。 「最近、彼氏がいることを告白したり、引退するというVTuberが相次ぐのを見ていて、ふと我に返ったというか……。正直、僕にとって推し活は、現実逃避でした。もちろん、癒やしをもらえるという前向きなメリットもありますが、お金を払わなければ、女性に相手にされない現実を直視できなかったのかもしれません。お酒を飲みながらVTuberの配信を見て泣くこともありました。推し活に月々10万円かけるなら、資産を増やすほうに使ったり、自分磨きするとか、何らかできたような気がします。今はとりあえず、貯金を頑張ろうと思っています」  配信者に入れあげたケンイチさん。クレジットカードのリボ払いでごまかしていたが、借り入れは約100万円にまで膨らんだ。スマホを眺め続けることが多くなったケンイチさんを不審に思った次女が画面をのぞいたところ、ついにその推し活が家族にバレた。 「娘からは『気持ち悪い』と言われ、『お父さんはただの“金づる”じゃん』などと説教されました。クレジットカードだから、お金を使う感覚がなくなるんだとも言われて、返す言葉もありませんでした。しかも私にものすごく余裕があればいいのでしょうけど、借金状態ですからね……。娘にはその場でスマホを取り上げられ、アカウントも削除されました」  何事も光があれば闇もある。推しに過剰に依存してしまう“推し活のダークサイド”に落ちてしまわないためにも、自分の置かれた状況について冷静に分析する目を持っておきたい。(了)

マネーポストWEB

戻る