結束バンド、Nornis、HiGH&LOW THE WORST、NGT48……12月28日リリース新譜4作をレビュー
2021年12月27日 12:12
結束バンド、Nornis、HiGH&LOW THE WORST、NGT48……12月28日リリース新譜4作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。2022年最後となる今回は12月28日リリースの結束バンド『結束バンド』、Nornis『Transparent Blue』、『HiGH&LOW THE WORST BEST ALBUM』、NGT48『渡り鳥たちに空は見えない』の4作品をピックアップした。なお、年明けは1月10日より連載を再開する予定だ。 【写真】ジャージ姿の『HiGH&LOW』キャスト陣 ■結束バンド『結束バンド』  TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』(TOKYO MXほか)に登場するバンド “結束バンド”のフルアルバム。OPテーマ「青春コンプレックス」(作詞:樋口愛/作曲:音羽-otoha-)、EDテーマ「Distortion!!」(作詞作曲:谷口鮪)、「カラカラ」(作詞作曲:中嶋イッキュウ)、「なにが悪い」(作詞作曲:北澤ゆうほ)のほか、劇中曲や新曲も収録。アニメの舞台にもなっている下北沢のライブハウスで活動していたミュージシャン、さらにZAQ、草野華余子、akkin、三井律郎といったクリエイターによる珠玉のロックチューンが並んでいる。アルバムの最後を飾るのは、ASIAN KUNG-FU GENERATION「転がる岩、君に朝が降る」のカバー(最終話のEDテーマ)。〈何をなくした?/それさえもわからないんだ〉というフレーズがアニメの物語と重なり、心を揺さぶられる。(森) ■Nornis『Transparent Blue』  町田ちま、戌亥とこ、朝日南アカネによる、バーチャルライバーグループ にじさんじから誕生した女性ボーカルユニットの1stシングル。表題曲「Transparent Blue」は、亀田誠治が楽曲提供とプロデュースを担当。美しい透明感とエモーショナルな手触りを併せ持ったメロディ、〈描いた色が存在証明だ〉というラインが響き渡るこの曲は、3人のシンガーとしての個性、そして新たなフィールドに飛び出そうとしているNornisの現状を反映している。カップリングには重厚なストリングスを取り入れた“クラシック×ロック”なアッパーチューン「Abyssal Zone」(作曲:夢見クジラ)を収録。さらに名だたるアーティストを手がけるHaTo、ケンカイヨシ、Ash、Carlos K.による楽曲も収められ、色彩豊かなボーカル、ハーモニーが堪能できる仕上がりに。VTuberの枠を超え、J-POPリスナーやロックファンにもアピールできる作品だ。(森) ■『HiGH&LOW THE WORST BEST ALBUM』  『HiGH&LOW』シリーズと、不良漫画の金字塔『クローズ』『WORST』がクロスオーバーする映画の最新作『HiGH&LOW THE WORST X』。前作『HiGH&LOW THE WORST』を含め、本シリーズで制作された楽曲をコンパイルした2枚組ベストアルバムがリリースされる。最新作の主題歌である、エレクトロ系のビートに乗せて〈目を覚ました 本能を叫べ〉というラインを打ち鳴らす「THE POWER」(THE RAMPAGE)のほか、疾走するバンドサウンドとともに“このゲームは終わらない”というリリックを放つ「Top Down」(EXILE THE SECOND)、ドープなトラックと鋭利なラップ、刺激的なエレキギターが絡む「We never die」(BALLISTIK BOYZ)など両作の劇中歌を収録。さらに、川村壱馬&吉野北人(THE RAMPAGE)、中本悠太(NCT 127)、三山凌輝(BE:FIRST)のキャスト陣によるバラードナンバー「Wings」も収録されている。グループの枠を超え、それぞれのシンガーとしての個性が有機的に結びついたこの曲も、『HiGH&LOW THE WORST X』がもたらした成果だ。(森) ■NGT48『渡り鳥たちに空は見えない』  今年6月、それまでの約7年間にわたるグループの歴史を総括した初のフルアルバム『未完成の未来』をリリースしたNGT48。彼女たちにとって、今回の約1年ぶりのシングルはグループの新章の幕開けを告げる大きな意義があるように思う。一つの集大成となるアルバムに『未完成の未来』というタイトルがつけられたことが象徴するように、NGT48は、未だ見ぬ景色に向けて新たなスタートを踏み出している。表題曲「渡り鳥たちに空は見えない」は、そうしたフレッシュな気概と未来へ向けた鮮烈なエネルギーを感じさせる疾走感の溢れるナンバーとなっている。NGT48の楽曲には青春の季節をテーマにした清廉なポップスが多く、同曲もそうした系譜に連なる楽曲ではあるが、一方で今回はもう一つの大切なテーマとして“大人になっていくこと”が歌われている。いつになくヒリヒリとした焦燥感やビターな味わいを感じさせる作風で、同曲が主題歌に起用されている新潟4局合同ミニドラマ『夜明けまえの彼女たち』バージョンのMVもYouTube上で公開されており、こちらも要チェックだ。また今作の通常盤Type-Bには、今年加入したばかりの3期研究生の楽曲「キスをちょうだい」が収録されており、ここから幕を開けるNGT48の新章への期待が高まる。(松本)

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