
リアル店舗“撤退”でも急成長 “同人コンテンツ”の総本山「とらのあな」トップが明かす業績絶好調の理由
同人誌をはじめとする“インディーズコミック”市場を牽引してきた「株式会社虎の穴(とらのあな)」の業績が「好調」と評判だ。日本企業の多くがコロナ禍が明けつつある今年に入って反転攻勢へと転じるなか、同社はイチ早く、事業の軸足を“リアルからデジタル”へシフト。その成功の秘密をトップに聞いた。 【写真を見る】時に手振りを交えて熱く語る鮎澤代表と“門外不出”の同社「社是」 *** ファンティアはイラストレーターや漫画家、コスプレイヤー、VTuberなどが創作活動に必要な資金を獲得する場を提供したプラットフォームだ。サイトを訪れたユーザーが気に入ったクリエイターの商品をオンライン上で購入するなどして支援が成立する仕組みになっている。 「ファンティア事業が始まったのは16年ですが、当初は国内に同種のプラットフォームはなく、認知されない時期も続きました、私たちは創業時、“同人誌はイベントがあれば売れるけど、それ以外では売る場所がない”といった声を多く聞き、だからこそ常時、販売の場を提供できるリアル店舗を立ち上げた経緯がある。ファンティアも同じ発想で、幅広いクリエイターたちの活動継続が可能となるシステムの構築を目指しました」(鮎澤氏) 一方、ファンにとってもコロナ禍でイベント等がなくなり、その場でのグッズ購入など“推し”を物理的に支援する機会が激減。それをデジタル上で可能にしたのがファンティアだったという。 ファンティアの累計登録クリエイター(ファンクラブ)数は41万、ユーザー数も前年比163%の750万人(22年度)にのぼる。クリエイターの約4割を占めるのはイラストレーターや漫画家とされ、これにコスプレイヤーを加えたジャンルが「ファンティアの成長を牽引している」(鮎澤氏)という。
デイリー新潮