VTuberは結婚、出産を視聴者にどう伝えるのか?「じゃあ出産したのは誰なのか」問題を考察(たまごまご)
2022年03月12日 17:03
VTuberは結婚、出産を視聴者にどう伝えるのか?「じゃあ出産したのは誰なのか」問題を考察(たまごまご)

VTuberが話題になり始めてから5年ほど、結婚や出産など大きな転機を迎えるVTuberも多い。VTuberのご意見番・たまごまごが連載第12回で注目するのは、VTuberが「結婚」「妊娠」「出産」などを語ることについて。もうすぐ4月、入学、就職、転職、引っ越しと人生の転機が押し寄せる時期に、この連載も最終回を迎えました。ご愛読ありがとうございました、新しい季節に向けて、一緒に歩き出しましょう。 【画像】錦鯉・渡辺隆(芸能界きってのVtuber通)との対談、すばらしかった! VTuberのあくまのゴートと家庭用ロボットアイゼンから結婚発表があったときも「VTuberふたりの結婚」という発表のされ方はしていなかった。 あくまのゴートは世を忍ぶ仮の姿として、サラリーマンとして生活している。その正体を知っている人間が嫁として結婚。家庭用ロボットアイゼンは家電なので、ふたりが結婚を期に購入し、一緒に暮らしている。そのアイゼンを作った博士は、ロボットが売れてうれしい、みんな幸せ、という関係性だ。ツイッターに上がっているイラストがわかりやすい。 おめがシスターズとはバーチャルの考え方が少し異なってはいるのも興味深い。バーチャルのレイヤーで暮らす存在と、リアルなレイヤーで結婚・出産をした存在は、重なってはいてもイコールではない、というのをうまく納得できるよう落とし込んでいる。 「VTuber」と「生身の配信者」を並行して行っている人も増えてきた。「VTuber」と「生身の配信者」は別人であるとする人も、イコールとする人もいる。受け止め方はともあれ、表現の幅が広がってきているのは楽しい。 もっといえば、ひとりの人がアバターを何種類か所持して、それぞれ別の存在として生きることだって可能なはずだ。 これは「VRChat」ではよくある状況だ。あるときはバーの店員。あるときは覆面ダンサー。あるときはコメディアン。全部アバターが違うけれども同じ人で、場合によっては名前を変えることもある。それぞれの役柄にキャラクター性と人格を持たせてもよいのが、メタバースの楽しいところだ。 VTuberがひとり1アバターで、そのキャラクター性を何年も大切に育てる、というのは本当にすごい表現だ。ただもっとのびのびと、飽きたら別のアバターに乗り換えたり、戻ってみたりするくらいの余裕があってもおもしろいんじゃないか、というくらいには5年でVTuberの見方が熟成してきた。バーチャルだから、何をやってもいい、くらいの余裕を持った感覚が一部では広まりつつある。

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