“生”がライバルのコンドームが誕生。開発者が語る“男女2人の話”から得たヒント
2022年01月12日 15:01
“生”がライバルのコンドームが誕生。開発者が語る“男女2人の話”から得たヒント

 ドラッグストアや量販店でコンドームを購入する際、選ぶ基準となるのはやはり“薄さ”ではないだろうか。「0.01mm」や「0.02mm」などの薄さを売りにしたコンドームがメジャーな商品として並ぶなか、“気持ちよさ”を前面に出したコンドームがある。それが、ジェクス株式会社が発売する「ZONE」だ。 ⇒【画像】「ZONE10pieces」。パッケージはコンドームの夜明けを表しているという  このコンドームは薄いほど価値がある「薄さ神話」に終止符を打つべく登場した商品。2019年の発売以降、SNSで評判が拡散されていき、コロナ禍においても売り上げは衰えず、現在でも売れ行きは伸び続けている。  今回はこの商品の開発秘話について、ジェクスの開発担当者・利光部長にインタビューを行った。  ZONEが他のコンドームと最も異なる点は、ジェクスが独自に開発した「ステルスゼリー」が付いていること。このゼリーはラテックスとの相性がよく、コンドームにしっかり密着することで男女共に使用時の違和感を解消するというもの。ZONEの特徴を生み出しているのだが、開発に多大な苦労と時間がかかったそうだ。 「何度も処方改良を繰り返し、やっとのことで現在使用されているゼリーにたどり着きましたが、今度はラテックスのゴムに悪影響を及ぼしてしまいました。そこで改良を繰り返してラテックスとの相性の良いゼリーを開発しました。工場で量産ができなかったなどの問題も抱えながらも、なんとか完成品のコンドームが出来上がりました」  そして、いざモニター調査をしてみると、女性からの評判は「摩擦感がない」「ゴム感がない」と上々。しかし、想定外だったのは男性からも「気持ち良い」という意見が寄せられたこと。「男性が快感を得にくい」という当初の目的とはずれてしまう結果に。  2019年に発売されると、ゴムの柔らかさ、ステルスゼリーの潤滑性により、圧倒的“生感”が得られると多くのカップルに支持されて急成長。コロナ禍でインバウンドによる爆買いがなくなり、業界全体の売上が減少したなか、国内での人気を高めていたZONEは、Amazon売上で1位を獲得する大ヒット商品になった。 「『ゴム感が消えた!』『気持ちよすぎる!』と8割ほどのユーザーから高評価をいただいています。特に性交痛に悩む女性からも支持が多いですね」  ジェクスが目指すのは「薄さで選ぶ」という概念への挑戦だ。現在売れている薄いコンドームはポリウレタン樹脂製で、コシがあって硬い、挿入時に痛いという女性の声もあるそうで「薄さは女性のことを考えた商品なのか?」と利光さんは疑問を感じており、解決を目指している課題でもある。

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