
3.6億円築いた凄腕投資家…スタートは2銘柄を100万円で購入、ビギナーズラック後は「投資にのめり込むほどマイナスに」…「伊藤忠株、売らなければ今ごろ・・・」
ITエンジニアで投資家Vtuberのはっしゃんさんは、投資暦30年で3.6億円以上もの資産を築いてきた。株式の価値を業績や財務情況から算出した本来あるべき株価を示す理論株価や、月次情報の優位性にいち早く気づき、その分析法をSNSなどで教えている。早くから成功を収めているように思えるが、「成功し続けていた」わけではないと語る。全3回にわたり、はっしゃんさんの投資履歴から成功法を学んでいく。 ――ビギナーズラックで好成績を残したのち、すぐに投資は軌道に乗りましたか? 最初の2年間はあまり結果が良くありませんでした。下がってきて割安だと考えたら買うスタイルで投資をしていましたが、今考えるとその方法はイマイチですね。当時はサラリーマンをしていて、仕事の最中にも株価が気になるようになり、精神面でも良い状態ではなかったと思います。 フレックスタイムが使える会社だったので、午前中にトレードをする時間を作れましたが、のめり込めばのめり込むほど結果はマイナスに。思考も短期投資になっていたので、2000年頃に長期投資へ切り替えました。株価だけではなく、企業の将来性にも注目し、株を買ったほうが良いと考えたのです。 ――当時のことで印象に残っていることはありますか? 1999年~2000年はITバブルで株価が大きく上昇したので、当時投資をしていた人にとっては印象深い年だと思いますが、IT企業勤めだった私はITバブルに違和感を抱いていました。そのため、伸びている銘柄には手を付けず、敢えて割安の銘柄を探し、総合商社の伊藤忠商事(8001)を購入。1~2割上がったところで売りましたが、今は当時と比べて伊藤忠の株が10倍以上伸びているので、もし今まで持っていたら……とは考えます。 “たられば”はさておき、2001年9月11日、米国同時多発テロの発生により、ITバブルの相場は一転します。私が監視していた銘柄はほぼ全てストップ安に。航空機業界、旅行業界の銘柄が一気に売られていたのを覚えています。余談ですが、これはコロナ・ショック(2020年)のときと同じような暴落なのです。有事のときに、それらの業界は売られやすい傾向があるのかもしれません。
みんかぶマガジン