歌広場淳×アルランディス“異次元・格ゲーマー”対談 格闘ゲームとの「出会い」がもたらしたもの
2023年07月11日 13:07
歌広場淳×アルランディス“異次元・格ゲーマー”対談 格闘ゲームとの「出会い」がもたらしたもの

 大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「歌広場淳のフルコンボでGO!!!」。今回は、「ホロライブ プロダクション」の男性VTuberグループ「ホロスターズ」に所属する、アルランディスとの対談を行った。 【写真】ゴールデンボンバー・歌広場淳の別カット  同じく「ホロスターズ」所属の律可とも、以前から『ストリートファイター6』(以下、『スト6』)での対戦会を通じて交友があった歌広場淳。この対談は、律可から紹介を受ける形でアルランディスのことを知り、彼の投稿した“歌ってみた動画”に聞き惚れた歌広場淳が、即座にアルランディスをX上でフォローし……などの紆余曲折があって実現したという経緯だ。  リアルアーティスト・歌広場淳と、バーチャルタレント・アルランディス。次元を超えて邂逅したふたりは、“音楽”と“格闘ゲーム”という共通の話題によって、お互いへの理解を急速に深めていく。 ■律可「アルランディスはぶっ込んでくるタイプ」 歌広場淳:いきなりなんですけど、アルくんは今回のように対談形式で誰かとお話をする機会って多いんでしょうか。やっぱり、もう慣れっこだったり? アルランディス:いえ、1対1のインタビューならまだしも、対談となると片手で数えられるくらいしか経験がなくて。めちゃくちゃ緊張してます(笑)。あっ、僕も歌広場さんのことを“歌兄”って呼んでもいいですか? 歌広場淳:もちろん! むしろ、ありがとうございます(笑)。  僕もこの連載をきっかけに、ふだん関わりのないジャンルの方にも積極的にお話を聞きたいと思っていて。それで今回、VTuberのアルくんをお誘いしたわけなので。VTuberの方とのガチ対談は初めてだから、緊張の度合いは同じかもしれないです。 アルランディス:そうですよね。『スト6』で拳を交えたことはあっても、なかなかこうやって腰を据えてしゃべる機会はなかったですから。しかも、ジャンルはおろか次元すら違いますし。 歌広場淳:まさに、“次元が違う”ですね。2次元のVTuberと3次元の僕とで。ちなみにアルくんは、3次元の人との絡みというと、これまでにどんな機会があったんですか? アルランディス:声優さんとお話をさせていただくことは、結構多いです。以前、僕のYouTubeチャンネルの「居酒屋ARN」という飲酒雑談企画で、声優の伊藤昌弘さんと森嶋秀太さんにゲスト出演していただいたことがあったりもしたので。 歌広場淳:なるほど、声優さんなら自然と会話も弾みそうですよね。ホロスターズとして音楽活動もされているわけですけど、音楽関係の方と接する機会はありましたか? アルランディス:ああ、音楽関係の方ですか。えーっと……。 歌広場淳:あ、その間はもしかして「ゴールデンボンバーをアーティストの枠に入れていいのか」的な?(笑) アルランディス:いや、違いますよ!? 僕、そんなぶっ込み方ができるほど尖ったヤツじゃないですって! 歌広場淳:いやいや、あのですね。今回アルくんと対談させてもらうにあたって、僕とアルくんが知り合うきっかけになってくれた律可ちゃんにもご報告させてもらったんですよ。  そこで一応、僕から「アルくんとどんな話をしたら盛り上がると思いますか?」って聞いてみたんですけど。そうしたら律可ちゃんが「いや、勝手にぶっ込んでくるタイプなので、ノープランでいいと思います」って言ってくれたんですよね。 アルランディス:たしかに、僕はめちゃくちゃ喋るタイプではありますけど(苦笑)。  いやでも、アーティストの方との絡みは、これまでほぼなかったですね。唯一、ビートまりおさん(※1)とは仲良くさせてもらっているんですけど、最近はどちらかというと格ゲー関連の話題で盛り上がることのほうが多いので、もはや音楽つながりとは言えないかもしれないです。 ※1……同人音楽ユニット「COOL&CREATE」主宰。作詞/作曲/編曲家、歌手。2020年より同名VTuberとしても活動する。 歌広場淳:そこでも格ゲーがコミュニケーションツールになっていると。僕とアルくんも格ゲーがつなげてくれたご縁ですし、そのことに感謝しつつ……僕もいまやアルくんやホロスターズのみなさんに興味津々なので、今日は根掘り葉掘りお話を聞かせてもらえたらうれしいです! アルランディス:こちらこそ、よろしくお願いします! ■VTuberのライブを初体験した歌広場淳「想像の180億倍よかった」 歌広場淳:6月8日に開催されたホロスターズの5周年記念ライブ、『HOLOSTARS 5th Anniversary Live -Movin’ On!-』。僕も拝見したんですが、ド肝を抜かれました。想像していた180億倍よかったです! アルランディス:うわ、億いっちゃった! ありがとうございます!! 歌広場淳:会場の豊洲PITにも大勢のファンの方が詰めかけていましたし、ものすごい盛り上がりでしたね。  出演されたホロスターズのみなさんも、やはりそれぞれ胸の内に抱えているものが違うんだなということが伝わってきて、ジーンときました。とくに一期生の方々を見ていると、並々ならぬ思いがあったのだろうな、と。 アルランディス:おおお! そこまで深い視点で観てくださって、感激です! 歌広場淳:ライブ終盤にあった一期生4人のMCでは、花咲みやびさんの周年を祝ってあげるみたいなシーンもあったりして。  VTuberさんのライブって、僕にとっては未知の領域だったので、どんな雰囲気なのかイメージすらできないレベルでした。けれど、実際に体験してみたら「2次元か、3次元か」なんて大した問題じゃないんだなと。もう、感動しっぱなしでした。 アルランディス:めっちゃうれしいです! 僕らも5周年ライブに向けて、ダンスの練習、歌の練習、MCの練習……と、めちゃくちゃ時間を割いてきましたから。 歌広場淳:これまで、なんとなくVTuberという存在を理解できていた気持ちでいたけど、全然わかってなかったんだなと思い知らされましたね。  僕もいま、ゴールデンボンバーで全国ツアーをしているんですけど……このあいだ、格ゲーマーのどぐらさん、小路KOGさん、フェンリっちくんが僕らのライブを観に来てくれたんです。そうしたら、お三方とも「(ライブ中の歌広場淳は)僕の知っている歌兄とは別人でした」と言ってくれたんですよ。 アルランディス:ああ、僕も同じようなことをよくファンのみんなから言われます。「ふだんの配信でコメントとやり取りしながらゲームをしているアラン(アルランディスの愛称)とは違って、ステージで歌って踊っているアランはまさにアイドルでした!」みたいな。 歌広場淳:やっぱりそうだよね。『スト6』でガイルを使って「溜めが間に合わない!」とか、「通常対空が出んがや!」とか言っている人とは全然違った(笑)。 アルランディス:そうそう(笑)。ライブに出させていただくたびに、そういったギャップのようなものを感じてもらえているようでうれしいです。ふだんからアイドルらしくしていないからこそ、こういった場で新たな一面をお見せできるような側面があって。 歌広場淳:ああ、そういうことか。僕はてっきり、ふだんアイドルをしている人だからこそ、ゲームをやってムキになるアルくんが珍しく思えて、そこに魅力を感じるファンの方が多いのかなと想像していたんですけど。 アルランディス:いや、逆ですね。やっぱり活動のメインは配信なので、日ごろゲームをやりながら喋っているようなヤツが、意外にも歌って踊れるというところにギャップを感じてくれている方のほうが圧倒的に多いと思います。  ふだんの配信では「こう見えてもアイドル事務所に所属しているんでね!」とギャグで言っているくらい、アイドルしていないんです。番組企画の罰ゲームで体を張ったりもしているので、リスナーから「アイドル事務所じゃなくて芸人事務所だろ」とツッコまれる始末で(笑)。  そんな僕らだからこそ、ライブという滅多にない機会では全力を出し切りたいですし、自分の素直な気持ちをみなさんに届けたいという気持ちがあるんです。 歌広場:なるほど。僕ですらあれだけ感動したのだから、ふだんのアルくんたちをよく知っているファンの皆さんは、なおさらグッとくるものがあったのだろうなと思います。  「グッとくる」といえば……個人的には、アンコールを受けてみなさんが再度ステージに上ってくるときに、ちゃんとTシャツに着替えてきていたのにも心を掴まれました。そこにツッコむのも野暮かもしれないんですけど、「律儀にやるんだ(笑)」って。 アルランディス:あれ、いいですよね! リアルのアイドルライブにおける“お約束”みたいなものもちゃんと押さえている感じがして、僕も大好きなシーンです(笑)。 ■アルランディス「格ゲー界隈って、なんて温かい場所なんだろう」 歌広場淳:ホロスターズのみなさんのなかで、格ゲーをがんばっている人というと、よく知っている律可ちゃんとアルくんの2トップが一番に思い浮かびますが、かなりのめり込んでいますよね。 アルランディス:そうかもしれないですね。僕としてはがんばっているつもりもなく、楽しみながらやっていたらいつの間にかこうなっていた、って感覚なんですけれど。ゲームとしておもしろいのはもちろんのこと、格ゲーのコミュニケーションツールとしての側面にも助けられていますね。  たとえば、こうして歌兄とお喋りすることに関しても、格ゲーという共通の話題がなかったとしたら「あの、ゴールデンボンバーの歌広場淳さんですよね。『女々しくて』大好きです……!」みたいな話題から入ることになっていたと思いますし。 歌広場淳:その一手目を打った後、「さてどうしたものか」ってなるよね(笑)。 アルランディス:そうなんですよ。あとはもう「今日天気いいっすね」とか、「今朝なに食べました?」くらいしか切れるカードがないですから。  格ゲーという共通の趣味を通じて、さまざまなジャンルの方と絡める機会が増えたので、本当にありがたいです。それこそ『スト6』が発売される前までは、今ほど広くいろんな方と交流を持ってはいなかったので。 歌広場淳:そう聞くと意外かも。だって、これまでも配信自体はたくさんしていて、そのなかでさまざまなゲームをやってきているわけじゃないですか。『スト6』が発売される前までは、どんなジャンルのゲームをメインでプレーしていたんですか? アルランディス:強いて言えばFPSが多かったんですが……。そもそも僕、あまりゲームが得意じゃなかったんですよ。 歌広場淳:えっ、そうなんですか? アルランディス:そうなんです。だから『スト6』では一番上のランクのMASTERになれて、MR(※2)も1650前後まで上げることができたのは、自分としても意外でした。「俺、こんなところまで登って来れることもあるんだなぁ」って。 ※2……マスターレート。『スト6』のランクマッチにおける上位ランク「MASTER」到達者に付与される、レーティングポイントのこと。  『Apex Legends』や『VALORANT』などのFPSをやっていたころは、いわゆる上級者と呼ばれるようなランク帯には全然手が届かず。そこそこのレベルで楽しみつつ、新しいゲームが出たら次はそれを触ってみよう、といった感じで浅く広くプレーしていました。  誰かとFPSをやるにしても、VTuber同士で絡むことが多かった。そんな調子だったのに、『スト6』を始めた瞬間からこれまでにないような出会いが頻発するようになったんです。1対1で対戦するゲームなので、気付けばこんなにお友だちが増えて……みたいな状況は想像していなかったですね。  それまで喋ったことがなかった強豪プレイヤーの方々や、プロゲーマーの方々が話しかけてきてくださったり、こちらからの質問にも親身に答えてくださったり。「格ゲー界隈って、なんて温かい場所なんだろう!」と思いながら、おかげさまでぬくぬくと過ごさせてもらっています。 歌広場淳:もともと、格ゲー界隈に対して「怖そう」などのイメージはあったんですか? アルランディス:まったくなかったと言ったら嘘になりますけど、僕は格ゲー界隈に限らず、対戦ゲーム全般において、「上手い人と交流を持つには自分も上手くないとダメなんじゃないか」と考えていた節がありました。  それだけに、「格ゲーマーのみなさんってめちゃくちゃ優しいな!』って思いましたね。格ゲーを始めたての僕に対して、プロの方々がこれほど近い距離で教えてくださったり、対戦してくださったりと、まさかそこまで手厚く迎え入れてくださるなんて思いもよらなかったです。 歌広場淳:さまざまな巡り合わせもあって『スト6』にのめり込むことになったアルくんですが、ガイル使いのアルくんにとっては、“ガイル村”の存在も大きかったんじゃないでしょうか? アルランディス:そうですね! 僕がMASTERに上がる少し前のタイミングで、“ガイル村”の副村長と呼ばれているストリーマーのドンピシャさんに「ガイルを教えてください!」とお願いしたら、快く引き受けてくださったんです。  その後も、村長にしてドンピシャさんの師匠でもあるプロゲーマーの、ひぐちさんにもガイルのことを詳しく教えていただいたので、すごく勉強になりましたし、モチベーションもめちゃくちゃ上がりましたね。 歌広場淳:そのあたりの使い手同士の結束力の強さも、ガイルの魅力なのかもしれないですよね。ポテンシャルが高いわりに意外と使用人口が少ないから、横のつながりが自然と生まれやすいキャラクターな気がするので。 アルランディス:そういう意味でも本当に運がよかったなと思っています。僕が『スト6』を始めるにあたって最初に選んだキャラクターって、実はディージェイだったんですよ。  ただ、僕がディージェイを使ってやっていたことといえば、弾を撃って飛んできた相手を対空技で落とすという、いわゆる“待ち”のプレイスタイルでした。当時はその戦法を“待ち”ということすら知らず、単にそれでしかダメージを取れないからやっていたわけなんですが……。  そんな僕の試合を見ていたリスナーの方が、あるときコメントで「それってガイルの戦い方だよ」って教えてくれて。「なるほど、僕のこのプレイスタイルにはディージェイよりガイルのほうが合っているなら、ガイルを使ってみよう」とキャラを乗り換えることにしたんです。 歌広場淳:そうなると、そのコメントがアルくんの運命を変えたと言っても過言じゃないですよね。 アルランディス:いや、本当にあのコメントには感謝していますね。実際、ディージェイとガイルを比較してみたら、ディージェイの対空技である「ジャックナイフマキシマム」より、ガイルの「サマーソルトキック」のほうが、ダメージが200(※3)だけ高いことに気付いて。 ※3……『スト6』におけるキャラクターの総体力は、最低値の豪鬼で9000、最大値のザンギエフで11000。  「それだったらガイルのほうがお得じゃん」って、本当にそれだけの理由でガイルを使い始めたんですけど、まさかこんなうれしい未来が待っているとは思いませんでした。 歌広場淳:なにげないことがきっかけで、人生って変わるものですよね。ゴールデンボンバーの『女々しくて』がヒットしたのも、実は誰かがPVを某動画共有サイトに違法アップロードしてくれたおかげだったりしますし。 アルランディス:そうだったんですか!? ■格ゲーマーとの親交を深めるために始めた“50先企画” 歌広場淳:アルくんといえば、2023年9月には『UNDER NIGHT IN-BIRTH II Sys:Celes(アンダーナイト インヴァース II シスタセレス)』(※4)の公式アンバサダーに就任しましたよね。 ※4……フランスパンとアークシステムワークスが開発した2D格闘ゲーム。アルランディスと、おなじくホロスターズ所属の荒咬オウガが公式アンバサダーに就任した。 アルランディス:はい。本当にすごい大役をやらせていただいて。 歌広場淳:そんなふうに、この1年間で格ゲーを通してさまざまな人との出会いがあったと思うんですけど、そのなかでとくに印象深かった人や、今後もっと仲よくなりたいと思う人を挙げるとすれば? アルランディス:そうですね。みなさん本当にお優しくて、頼れる兄貴感のある人も多いので……。 歌広場淳:「頼れる兄貴感がある人」というと、誰の顔がアルくんの頭を過ったんでしょうか。 アルランディス:それはもちろん、こく兄ですよ! 僕、こく兄のこと大好きなので。 歌広場淳:あー、そうきたか……。ダメだよ、あんな人を好きになったら。アルくんはアイドルなんだからさ。イメージ的によくないよ。 アルランディス:いや、なんでこく兄に対してちょっと認めたくない感じ出すんですか(笑)。こく兄ってガチガチの理論派プレイヤーだと思うので、そういうところもカッコイイなって思うんですよね。 歌広場淳:まあ正直そのとおりですね。実は非常に論理的な考え方を持っている人です。 アルランディス:あと、立川さんとももっと仲よくなりたいなと思っています。立川さんは、エンタメチックにおもしろおかしいやり取りをしてくださりつつ、僕が上達するための道筋みたいなものをポロッと示してくれるようなところが素敵だなと。 歌広場淳:タチ(立川)はコミュニケーション能力が高いし、持ち前の言語化能力の高さを活かしたコーチングにも定評があるプロプレイヤーですね。 アルランディス:そうですよね。ただ、なかなかそういった方々と腰を据えてお話をできるような機会がないので……。 歌広場淳:ああ、だから最近アルくんは50先企画を始めたってことなんでしょうか? アルランディス:そうです、そうです! さすが、読みが鋭いですね。50先企画を通じて、もっともっと格ゲーマーのみなさんと仲よくなれたらと思っています。 歌広場淳:第1回のお相手は、元FPSプロゲーマーで現ストリーマーのRobiNさんでしたよね。チラッと観に行ったら、ボコボコにやられていた気がするんですが。 アルランディス:おっしゃるとおり、1対50で負けました(苦笑)。RobiNさん自身も「いまの自分はFPSプレイヤーではなく格ゲーマー」っておっしゃっているくらいで、めちゃめちゃ強かったです。  ただ、50先企画は対戦相手の方とボイスチャットをつなぎながらの形式でやっているので、試合中に会話を交わすことができたり、煽り合いができるという意味では、ランクマッチともまた違う空気感があって楽しかったですね。 歌広場淳:煽り合いを楽しいと思えるのなら、アルくんも相当ディープな格ゲーマーですね……! アルランディス:ああいうプロレス、大好きなので。 歌広場淳:僕がVTuberの葛葉(にじさんじ所属)くんと煽り合いになったときは、マジでキレそうでしたからね(笑)。彼は本当に、一度わからせておかないとダメだ。どこかのタイミングで黙らせておかないと……! アルランディス:そんなブチギレ寸前の歌兄と、それを楽しそうに煽っている葛葉くんを見て、僕はニコニコしていました(笑)。 歌広場淳:アルくんもその場にいたもんね。50先企画の第2回のお相手はタチだったと思うんですけど、彼との戦績はどうでした? アルランディス:立川さんもエンターテイナー気質の方なので、数戦ごとにキャラ変えを挟みつつ、最終的には全キャラ使って相手をしてくれたのかな。それでも結局8対49くらいで僕が負け越すことになったんですが……そこまできて、立川さんが「これもう(プレイヤーが)俺じゃなくてもいいわ」なんて言い出して。  それで立川さんが、対戦ルームにホロライブの常闇トワさんというVTuberを連れてきまして。立川さんはいろいろな人に『スト6』のコーチングをしていて、常闇トワさんも立川さんから教えを受けているうちのひとりなわけなんですが。 歌広場淳:存じ上げております。タチが「トワ様」と崇敬している女性VTuberの方ですよね。 アルランディス:そうです。それで「あと1本ならトワ様でも取れるっしょ!」ということで、8対49の状況から急きょ立川さんに代わって僕とトワ様が対戦することになり。  僕としては立川さんの遊び心につけこんで、一気に42本取り返すつもりでいたのですが、フタを開けてみれば再開からわずか2試合目でトワ様に負けて50先に敗れるという。本当にわかりやすいお笑いみたいな結果に終わってしまいました(苦笑)。 ■「格ゲーと“出会えた”」 アルランディスの格ゲー観 歌広場淳:アルくんのお話を聞いていると、やはり『スト6』のモチベがものすごく高いんだなと感じます。きっとアルくんのファンの方々も、「ここまで格ゲーにハマるとは!」とビックリされているんじゃないでしょうか? アルランディス:それは実際にコメントでも言われましたね。「まさかアランがひとつのゲームにここまでハマることがあるなんて」って。 歌広場淳:配信でいろいろなゲームをやることでリスナーを楽しませてくれていたアルくんだからこそ、ひとつのゲームにのめり込んで、楽しんだり、悩んだり、アツくなったりする姿が新鮮に感じたってことなんでしょうね。 アルランディス:なかには「こういうアランは応援し甲斐がある」とまで言ってくださった方もいたりして、すごくうれしかったです! 歌広場淳:なによりうれしいコメントじゃないですか! これはモチベーションになるね。 アルランディス:それこそVTuberって、「このゲームジャンルが得意です」とか、「絵が描けます」とか、みなさんなにかしらの特徴、特色、“自分をひと言で表現できる強み”、みたいなものを持っているものなんですよ。  その点、僕は筋トレが好きだとか、人を集めてバラエティ企画みたいなことを考えるのが得意とか、DJ配信やってます、みたいなことはあったにしても、「どんなゲームが得意なの?」と聞かれたら答えに詰まるようなところがあって。  でも、これからは「格ゲーです!」って胸を張って言ってもいいんじゃないかなという気がしています。だから僕としては、格ゲーに、『スト6』に、“出会えた”って感覚があるんですよね。  それは、性格的に向いているゲームなのかもしれないという部分もそうですし、ここまでハマれたゲームだということもそうですし。格ゲーを通してのみなさんとの出会いや、“ガイル村”とのつながり、ガイルというキャラクターとの巡り合わせも含めて。“出会えた”んだなと。 歌広場淳:めちゃくちゃいい話……! 「格ゲー始めました」とか、「格ゲーの魅力に気付きました」という言葉は僕も最近よく耳にしてうれしい限りなんですが、「格ゲーと“出会えた”」と表現した人は間違いなくアルくんが初めてですね。 アルランディス:じゃあちょっと、いまのくだりは記事にするときに太字でお願いします(笑)。 ■アルランディス、「七味唐辛子の仕分け配信」の裏側を語る 歌広場淳:ふだんのアルくんをよく知るファンの方が、ライブで輝く姿や格ゲーに打ち込む姿を見て新たな一面に気付くのと逆のパターンで。きっと今後は、格ゲーをきっかけにアルくんに触れ、ふだんのアルくんの魅力に気付いていくという人も増えていくだろうね。 アルランディス:そうなってくれたらうれしいですね。自分で言うのもアレですけど、意外な一面だらけだと思いますし。僕、七味唐辛子を仕分ける配信とかもやっていたりするので。 歌広場淳:えっ? どういうこと? アルランディス:七味唐辛子って、7種類の材料がブレンドされていますよね。あれを、机の上にザッと出すじゃないですか。 歌広場淳:いや、出さないよ。……ごめん、わかった。出すってことでいいです。 アルランディス:はい。それでぶちまけた七味唐辛子のなかから、ピンセットで、「これは山椒」、「これは陳皮」とか言いながら、ただただ仕分けしていく配信をしたりしているんです。あれは作業完了までに12時間くらいかかりましたね。 歌広場淳:「なんでそんなことをするの?」って聞いてもいいのかな。 アルランディス:あ、はい。そこに七味があったからですね。 歌広場淳:……要するにアルくんは、「なんでもおもしろくしよう」、「おもしろおかしくやってみよう」という精神にあふれているって解釈でいいんでしょうか。 アルランディス:ほかにも、驚くたびに飲酒するホラーゲーム配信とか……。 歌広場淳:それ絶対、最終的にべろんべろんになるやつでしょ。 アルランディス:もうグビグビですね。毎回、後で配信のアーカイブとか切り抜き動画とかを見て、「僕、こんなこと言った覚えがないです」と真顔になるまでがセットです。 歌広場淳:大手事務所に所属しているわけだけど、越えちゃいけないラインとかあるんじゃないの? 本当に大丈夫? アルランディス:これがですね、許してくれているんですよ。さすが懐が深い! ありがとうカバー!!(※5) ※5……カバー株式会社。「ホロライブ」や「ホロスターズ」などを擁するVTuber事務所「ホロライブ プロダクション」の運営などを手掛ける、ITエンターテインメント企業。 歌広場淳:きっと、アルくんの人柄もあるんだろうな……。 アルランディス:これからも、僕のいろいろな一面を皆さんにお見せしていきたいですね!

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