
“かわいいだけじゃダメ”…にNO なえなの、元テレ東・森香澄も所属するseju “令和の芸能プロ”の戦略を仕掛け人が語る
2023年も暮れ。今年のグラビア業界を振り返る中で非常に目立った事務所が「seju」だった。なえなの、森香澄、本郷柚巴に加え、桑島海空、今森茉耶などグラビアでの活躍が目立ったタレントが多数所属している。「seju」とはいったいなんなのか。令和の美女軍団に迫った。【徳重龍徳/グラビア評論家】 【写真】令和の“かわいい”を見よ――なえなの、森香澄、本郷柚巴 ほかsejuの所属タレントたち 上田さんが語るようにルックスで多くのフォロワーを獲得しているものの、武器となる何かを持っていないタレントは、特に若い女性TikTokerに多い。いまやTikTokerは、読者モデルに近いという。 「Tiktokerやインスタグラマーも数多ある芸能人の出方の一つ、昔でいう読モのようなものでしかない。今sejuでスカウトをする際には何か強み、鉄板ネタがあるという子よりは、かわいさや愛嬌といった部分でファンを獲得した子を意欲的にスカウトしています」 藤田ニコルや“みちょぱ”こと池田美優は、読モから若者代表としてテレビに出演し、その後バラエティー番組に定着した。sejuに所属するTikTok出身のタレントの先達であるなえなのも「アッコにおまかせ!」の準レギュラーなど、彼女たちと似たルートでお茶の間に定着していっている。 sejuでは当初、SNSフォロワー数の多い子を見つけスカウトしていたが、いま力を入れているのは原石探しだという。 「TikTokのフォロワー数は100~1000人と、本来うちの取りたいレベルかというと少し早すぎる。ただsejuを『SNSで見るかわいい子がいる場所にしたい』という思いがあったので、将来性やポテンシャル、スカウト担当が『かわいい』と感じる子を取っています。今はインフルエンサーは“個”で影響を持っていますし、フォロワーが5万人いれば、いろんな大人が近づいてくる。そういう子を一生懸命に口説き落とすよりは、そうではない子を見つけてくる方が、頑張ってくれると思うんです」 中学生の頃からTikTokに動画を投稿していたという今森麻耶はその代表格だ。17歳でsejuにスカウトされた時には、宮崎在住でフォロワー数もそこまで多くなかった。その今森が今年「ミスマガジン2023」のグランプリに輝いた。 上田さんも含めたsejuのスタッフは、日々TikTokで美少女探しに余念がない。かつて芸能事務所は竹下通りなどでかわいい子を見つけては、その場でスカウトしていた。 「今も芸能事務所さんの中には、街で女の子に声をかけるところもあると思うんです。でも僕は今の時代に即していないなとも思っていて。結構警戒をされると思うんです(笑)」 だから令和に合わせ、SNSを通してのスカウトにアップデートさせた。上田さんはsejuをインフルエンサー事務所ではなく、イマドキの芸能事務所だと話す。 「sejuはインフルエンサー事務所と言われるんですけれど、やっていることはこれまでの芸能事務所とそこまで変わりはないと考えています。なので、いまどきの芸能事務所くらいに思ってもらえたら。グラビア自体は好きですし、女の子をとてもかわいく、綺麗に演出してもらえるものなので、今後も続けたい。あとはお芝居やバラエティー番組の出演も増やしたい。そのためにはSNSだけでなくテレビ、雑誌と活躍の場を僕らがゴリゴリと広げられたらなと思っています」
デイリー新潮