大のアニメ好きが選ぶ“もっと評価されるべき2023年アニメ”TOP20! 「贄姫と獣の王」「もういっぽん!」を押さえ2023年のランキングを統べた大傑作は……?
2022年12月27日 18:12
大のアニメ好きが選ぶ“もっと評価されるべき2023年アニメ”TOP20! 「贄姫と獣の王」「もういっぽん!」を押さえ2023年のランキングを統べた大傑作は……?

 200以上もの新作アニメが生まれた2023年。今年は「鬼滅の刃」や「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」といった人気シリーズに加え、「【推しの子】」「わたしの幸せな結婚」「葬送のフリーレン」など新規作品も人気を博し、例年以上に活気のあるアニメシーンであったように感じます。 【4~10位】ランクインした作品を見る  しかし大ヒット作以外にも面白い作品があるというのはアニメファンならご存じでしょう。本稿ではそうした少し隠れた名作を探るため、アニメを週25本以上視聴し続ける“アニメ好き”100人以上を対象に「2023年の作品でもっと評価されるべきアニメは?」というアンケートを実施。放送/配信作品は5つ、劇場公開作品は3つまで挙げてもらってランキングを作成しました。まずは放送/配信作品のTOP3を紹介します。  2023年の当ランキング1位は、同名のライトノベルをアニメ化した「冰剣の魔術師が世界を統べる」でした。世界最強と謳われる「冰剣の魔術師」の称号を受け継いだ少年・レイ=ホワイトが、エリート魔術師が集まる魔術学院に入学する……と、あらすじだけ書くと「よくあるファンタジーものか」と敬遠する人もいるかもしれませんが、一見の価値は十分以上です。  1話の唐突なサンシャイン池崎パロから始まり、執拗(しつよう)な筋肉推しなど「アクセル全開」なギャグ描写もインパクトが強く、本筋もしっかりと面白かったですが、本作の真骨頂は創意工夫の数々。自由自在に、そして効果的に使われるオープニング/エンディングテーマを筆頭に、多彩な演出で視聴者を楽しませようとする姿勢が「TVアニメの表現の枠を拡張するような斬新な手法」「TVアニメの形式を骨までしゃぶり尽くすかのようなお約束の“冰剣システム”に夢中になりました」といった評価を集め、2位にダブルスコアをつけての1位で「『冰剣』が2023年アニメを統べる」結果となりました。  そんな意欲作に「今まで連綿と積み重ねてきたファンタジーバトル系ラノベアニメの総決算のような作品」「今はテレビよりもネット配信が人気を決めていると言っても過言ではないが、『TVアニメ』としての価値を重視する姿勢を評価」「オープニングから次回予告に至るまでアニメの面白さを上手に乗りこなしたアニメとして、2023年の顔とも言える」と最大級の賛辞が寄せられています。  なおシリーズ構成・監督のたかたまさひろ氏が手掛けた秋アニメ「でこぼこ魔女の親子事情」も票を集めており、今後アニメファンなら注目すべき存在でしょう。  「K」シリーズや「ハンドシェイカー」などで見られたスタイリッシュな絵作りでアニメファンを虜にしたアニメ制作会社・GoHands。2020年代に入って同社はやや存在感が薄まっていましたが、今夏「デキる猫は今日も憂鬱」とともに復活の号砲を鳴らした「好きな子がめがねを忘れた」が9位となりました。  これまでアクションものが多かったGoHandsですが、本作はなんと中学生同士のラブコメ。しかもPVを見てもわかる通り同社の過剰演出気味な絵作りは変わらず(ちなみに「デキ猫」も同様)。その健在ぶりに多くのアニメファンが感激していました。なお“好きな子がめがねを忘れた”というネタだけで無限にシチュエーションを繰り出し続け、さらにふたりの距離を丁寧に縮めるラブコメとしての魅力も十分な一作です。  今年も多数の異世界転生ものが制作されましたが、そのなかで最上位となったのが「神無き世界のカミサマ活動」でした。本作は異世界に転生した少年が、発揮できる力の大きさが信者の数と比例する「全能神」ミタマの信者集めに協力するというところから始まるファンタジーです(ネタバレ回避のため、深く踏み込めないのがもどかしい!)。  本作の評価を支えたのが、1位の「冰剣の魔術師が世界を統べる」にも通じる、視聴者を楽しませようとするエンタメ精神。いろんな方面に際どいネタや、オープニング/エンディングテーマの効果的な使用くらいはお手のもの。違和感のあるCGや描写はギャグや重要な伏線として回収され、毎回とても長いサブタイトルは最終回にいたっては約350字(たぶん歴代のアニメでも「このヒーラー、めんどくさい」と並んで最長クラス?)。その独創的なアイデアの数々が、「限られた手札でこんなことができるんだ」「コンバインが出てくるだけでこれだけ腹を抱えて笑えるアニメに今後出会える気がしない」と感動を呼んだようです。  大多数の作品が最終回を迎える前に回答が締め切られるため、秋クールのアニメは不利な本アンケートですが、この秋のオリジナルアニメ「川越ボーイズ・シング」が4位に食い込みました。本作はトラブルメーカーの元オーケストラ指揮者・響春男が顧問として率いる(実際はあまり率いていない)、川越市にある高校のボーイズ・クワイア部で展開する青春合唱コメディーです。  本作は個性的過ぎるキャラクターや選曲、そして先の読めないフリーダムなストーリー展開などの癖の強さに魅了された人が多いもよう。特にカオスな第8話、絵コンテ・演出・作画監督・原画を担当した武内宣之さんの手腕が光る第9話が人気でした。また「何を評価したらいいかわからんがもっと評価されるべき」「まだ放送中だけど、今期どころか今年一イチレベルの怪作であり、同時に名作になる気配もする」「センスオブワンダーという言葉はこのアニメを観て感情を動かされたオタクが生み出した言葉らしい」など困惑をうかがわせるコメントも多数。残念ながら最終話となる第12話の放送や配信の日付は未定となってしまいましたが、その結末に期待が募るばかりです。  映画では、世にも珍しいポールダンスを扱ったアニメ「劇場版 ポールプリンセス!!」が1位となりました。アンケートの回答期間には「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に話題を取られていたところもありましたが、そのCGクオリティーの高さなどから口コミでじわじわと人気が拡大しており、ブレイクも近いかもしれません。また3位の「BLUE GIANT」は「すでに評価されているかもしれませんが……」というコメント付きの投票が目立ちました。 5位 SAND LAND 4位 アリスとテレスのまぼろし工場 3位 BLUE GIANT 2位 北極百貨店のコンシェルジュさん 1位 劇場版 ポールプリンセス!!  ここまで紹介してきたのは、放送/配信作品は132本、劇場公開作品は41本に票が投じられたなかから選ばれたもののため、いずれも何かしら特別な魅力を持っている傑作です。これまで知らなかった作品もあるかもしれませんが、気になったものがあればこの年末年始にぜひチェックしてみてください。大作や人気作だけでは得られない、アニメの新たな楽しさに目覚めるかもしれませんよ。

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