「答えを出すのがAI」が正しいの? “心に寄り添うAI”のミライをPictoria代表に聞く
2022年06月30日 08:06
「答えを出すのがAI」が正しいの? “心に寄り添うAI”のミライをPictoria代表に聞く

 いま最も世間の耳目を集めるワードは「生成AI」だろう。一般企業や学生間においても、“私事”として、その向き合い方を議論する場面が極端に増えたと実感する方も多いはず。一方、「答えを瞬時に出力してくれるのがAI」という前提のもと、“脅威”として論じる、もしくは“欠落”の烙印を押す…アウトプットとしてのAI機能のみが先行している印象も。一方、古くからのSF作品に端を発した「コミュニケーションとしてのAI」はどのような可能性を秘めているのか? AI VTuberの運営、AIコンテンツのNFT化などを展開する株式会社Pictoriaの明渡隼人(あけど はやと)代表取締役CEOに話を聞いた。 【画像】リアルじゃ言えないこともAIの友人になら言える…? 人に寄り添うAIキャラクター[N] ――VTuberからの流れとして、2020年からはAI VTuberの企画・開発もスタートさせました。特に現在進行中の『NEN STUDIO』は、VTuber運営・アニメ制作・AIの技術の集大成として、NFTを活用したプロジェクトですね。明渡さんは人とAIの距離感を今、どのように感じていますか? 【明渡隼人】AIの強みはいくつもあると思うのですが、私が特に大事にしているは「AIはどこにでもいるし、いつでも会える」という利点なんです。 ――コミュニケーションとしてのAIに注視しているということですね。それは、現代において「人と人とのコミュニケーション」が希薄になっていることが起因していますか? 【明渡隼人】仰る通りです。人だったら物理的に会いに行く必要もあるし、人気者であったら待たないといけないかもしれない。時間も限られるなかで窮屈に感じるのが、人の感情です。コミュニケーションできる相手が常に身近にいて、待ち時間も無くなると寂しさを感じない。システムとしてAIキャラは常にそこにいて、いつでも話しかけることができる。現代において、この利点は非常に大きいと感じます。 ――人に何か相談したい時って、相手に解決案を求めているのではなく、とにかく吐き出したい! という思いの方が強いです。でも現代おいては、おちおち吐き出すことすら出来ない。「晒されるかも…」という疑心暗鬼を平時でも持ち続けるのが現代社会とも言える。 【明渡隼人】だからこそ、何時でもどこでも「思いを吐露できる」環境を持っておくことは、凄く大事なことだと思います。AIは決して嫌がらないし、自分に話しかけてもくれる。対人では重苦しいことと受け取ってしまうことでも、AIなら可能。そこに一番の価値を感じています。

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